長い夏の終わり



今月8日 父が永眠した。

8月に帰ったとき「せっかく帰ってきたのにこんな姿で済まんなぁ」と酸素マスク越しに苦しそうに話していたのがあっという間に逝ってしまった。

天津から急いで熊本に戻り、葬儀を済ませ兄弟親戚も帰っていった。一人実家で親父の位牌と向き合っている。

父について言葉にしようと思ってもなかなか浮かばない。漠然とこのあと一人になった母をどう支えていくかを考えている。ただ熊本の夏の終わりの空気を吸っていると、天津に戻って待っているだろう仕事の山も現実味がわかない。

いろいろ変わってしまったし、すぐに仕事を見つけることもできないと思うけど、それでもこの光と空気と懐かしい人たちはやはり僕にとっての故郷だと感じる。