入院メモ 第5話

1:看護婦について
 
看護師と言う呼び方は男女機会均等法の施行の時に作られたものだったと記憶している。それまで女性は看護婦、男性は看護士と呼んでいたと思うが、そうだっけ?

眼科病棟の看護婦さんは、みんな若くてきれいで優しくて(判で押したように)ちょっと鼻声でちょっと語尾を伸ばす同じ話し方をする。耳の遠いお爺さんにも、食事やお手洗い散歩などしょっちゅう声をかけてようすを確認している。患者が快適に過ごすために、病棟で事故の無いように、彼女たちが考え、工夫し、引き継いできたこの病棟の看護担当者のスキルなのだろう。

僕は一生懸命働く人を尊敬する。

ちなみに、あなたたちが大きな声で話しかけるスーさん、奥さんがボソボソ話す声はちゃんと聞こえてるよ。
 
この夫婦の会話を聞くと、とても自然に優しい気持ちになりますな。すばらしいご夫婦です。
 
 
 
2:夫婦

大部屋に似たようなおじさんたちが六人、同じような年配のお見舞いが来る。大抵は奥さんが来て保険の手続きや会社、親戚への連絡、病状のことなどを小声で話して身の回りの片付けをして、それが済んだら帰っていく。

ある奥さんは自分の昼飯を丼に入れたまま持ってきて、談話室のレンジでチンして食べて、入院患者に病室から爪切りとティッシュを持ってこさせ、患者のタブレットでゲームに興じ、疲れた、眠いを連発し、病院のベッドに寝転んでゲームしたあげく、面会時間終了後まで十分楽しんで帰った。




変わった奥さんもいたもんだが、あの人の亭主も結構な変人だろうぜ。
きっと。

 
 
 
3:病人・・的な? 
 
僕はパジャマを着ない、子供の頃ネルの寝巻き(バカボンが着てるあれだ)を着ていて托し上がった裾が気持ち悪くて仕方がなかった。大人になってからもその名残で、パジャマの裾が気になって着られない。そうなると、日曜などに朝からずーっとパジャマで過ごす人の感覚が気になって仕方がない。パジャマとは何だ、寝巻きじゃないのか、人前で着ていてもいいのか?パジャマに馴染まない人間なのである。

入院当初このパジャマが気になった、これ着てスリッパ履いてピタピタ院内を歩いていると立派な入院患者になるようでなんか落ち着かなかった。18日たった今では、このユニフォームを着てコンビニにも行けるし、もう気にもならなくなった。朝はパッと起きないし、ごろごろ寝てるのもいい。夜は消灯後一時間半くらい古い写真見たり、ゲームやったりして寝ると朝五時くらいまでは眠れるようになった。広い院内も見るところは少ない、別にいきたい場所もない。

あ、俺すっかり入院患者になった。

しかし、管理する側から見ると恐らく患者がそれとわかる服装でいることのメリットは多いと思われる。安全性や衛生面からもこのレンタルパジャマは優れているのだが・・・

なんかすごーく無気力になるのはなぜ?