入院メモ 第4話


お見舞い、応援をいただいている皆様へ
去る24日2度目の手術を受けました。
水晶体などの傷を受けた器官と白内障を起こした部分、液中の血液等の汚れを取り除いた結果、失明ではないようです。まだ見えるというレベルではありませんが、希望をもって治療を続けていますのでご安心ください。
いつもありがとうございます。



さて、入院日記は生ぬるく続きます。


1:書くことがない

書くことがないと言うことを書く必要はない。ただ、朝食後のこの時間、何をして過ごすにも落ち着かない。診察はたぶん十時過ぎ、昼前だろうが、もし早いといかんので部屋に居なければならない。

朝食の膳が載っているのでパソコンは出せない、タブレットのゲームもとっくに飽きている(上海って懐かしいね)、とは言え真剣にスケッチ練習するのもなんか違う。書きたいこともないので、これで終わり。こんなこともある。

 


  
2:抜糸

ほほの傷四針を抜糸した。
二針は先に抜いてあったらしい。顔はまだ怪我人のそれだけど、少し進んだ感じで嬉しい。来週は角膜の再手術を検討する、眼球の奥の網膜などの機能はさほど低下していないようす。自分ではそう感じているが、医師の口から聞くと安心する。
 
例の眼球の縫合糸が取れるのはいつだろうか。

 
 
3:どうなるのだろうか
 
午後六時の夕飯をごく自然に頂き、一杯のお茶を飲む。僕は本来、一日のすべての水分をコーヒーで摂取する人間だ。お茶は家内が無理に淹れたとき、付き合いで一杯だけ飲む。もちろん、薬もコーヒーで飲む。
 
病院では朝夕水筒にお茶をいれてくれる。かわいいお嬢さんがたが入れてくれたお茶を無下にはできん、だから食事のとき一杯だけ飲むのだ。  
  
さて食後のゲームもした、2chのヨタ話も目を通して笑った・・・そろそろ寝るかっておい!7時だよ。まだ全員集合もしてないよ。
 
7時って、そろそろ買い物に行かないとドミーが閉まるなとか、友人の事務所で打ち合わせだったり、家内は九時まで仕事だし・・・宵の口ですらない時間だったはず。2週間の入院生活が徐々に体に染み込み始めたか。この生活があと三週間も続いたら俺はDoなっちゃうんだろうか。

などと楽しくもない想像をしながら時間をもて余している。

 
Wifiつけようよ、藤田さん。  

 
  
 

4:何の為に

血圧が高いんだそうだ。確かに正月、健康診断のとき165−125位だったから姉が驚いて坑圧剤を処方してもらったのも頷ける、脳に小さな動脈瘤もあるしね。毎日飲むのだが、あまり下がらないこともあって、ちょっと熊本に帰った時に忘れて以来飲んでいなかった。

しかし、血圧に興味がないのではなく大いに興味をもって改善に勤めていたのである。毎日ではないが、体重と血圧を図って記録した。食事の内容もずいぶん変わった。
この夏は概ね上が110〜130、下が90〜100の辺り、最も良いときが100の70だった。
体重はすごく減りはしないが84㎏位で安定していた。

入院後血圧が高いと言うことになり坑圧剤をまた飲み始めた。今は上が100前後、下が70前後である。
看護師は下がりましたね、よかったですねと言う。
そうですねよかったですと答える。
   
良かったかもしれない、だけど何も嬉しくない。毎朝食事の後に小さな錠剤を飲むだけだ、それで血圧が低く安定する。病院食も当然高血圧対応だけど、自分の家でも野菜を多く美味しく食べてお通じもいい、楽しい食生活を心がけた。
自分の身体の様子に気を配るようになったし、健康でいることの感謝もあった。毎朝家内と庭の小さな野菜を見るのも楽しかった。

薬を飲めばいいんだって言うのがなんかつまらん。
たぶん退院したらまた薬をやめて生活を変えてどこまでできるかやるでしょう。目的は血圧じゃない。自分を変えるゲームを遊んでるんだ。そんなワガママが病院で通じる訳は無いので大人しくしています。

それもこれも俺が怪我しなければよかったって言う話に帰ってしまうので何ともならんですわなぁ。 

  
  

5:馬鹿だもんで・・
  
「奥さんはどうしてたの?」
「奥さんと同じことしてあげる」
「ウインナーの皮ムイテあげるわね」
「あん、難しい」
「はい上手にムケた」

こっこれはおじさんの想像力を刺激する・・・


「〇〇さん、お薬の容器もって行きますね」
「あれ、いたんですね」
「全然気配を感じなかった」

〇〇さんは毛髪がない。
そんな人の毛はえを感じないとはどう言うことか。

病室にいると暇なんで不謹慎とは思いながら、看護婦さんの言葉など格好の妄想の種にしてしまう。申し訳無い。仕事とは言え、僕も含めて変な病人の集まりである病室の管理は大変だろう。尊敬します。              

   
  
  
6:馬鹿だもんで 2
  
40年も前なら
「しぇんしぇい(先生って言ってます)、給食のこのジャガイモのソテーって何ですか」
「何かぁ、小坂知らんとか、まあよかけん黙って食え」

今は
「ねえこの病院食に毎日出てくるソテーって何だろう」
「炒めてないし茹でてもなさそうだし・・・」
「〇一(息子)にメールしてWikiで調べてもらおうか」

そこでいつも会話が終わる、だからソテーって何?

ところで、ムニエルって何?

昔大洋かどっかにいた助っ人外人?
シルビアークリステル?

今食っていてもソテーとムニエルの違いがわかりまへん。
  
一昨日来た家内に聞いてみたら
「メニエール ?? 」

この先もしばらく我が家にはソテーもムニエルも食卓に並ぶことはない。
 
 
家内の名誉のために付け加えますけどね、「魚介類はムニエル、肉はソテーじゃないかしら」と言うんですが、ほんまでっか?