対岸の火事

田舎の重要な伝達手段、有線放送。

多いのは「昨夜何時ごろ何歳のどんな格好の人が姿が見えなくなりました、お心当たりの人は…」という行方不明。

一番びっくりしたのは「隣町で強盗事件を起こした犯人が逃走中」という放送。

最近繰り返し流れているのは「乾燥による火災注意」

昨日も朝から何回か流れていました。

このところ雨が降らず、非常に乾燥しているので僕のような畔切りマニアにとっては絶好の日和ですが、困るのは危なくて切った草を燃やせないこと。

ところが今週は麦の収穫「麦しの」の時期。
刈り取った麦わらは粉砕されて田んぼに撒かれます。
それを燃やして土壌改良するので、そこらじゅうの田んぼで煙が上がっております。

この辺では切った草やわらを燃やすのはごく当たり前の習慣ですが、最近は近所の洗濯物とか人の少ない時間とか気にするようにはなりました。これは今の市街地じゃ考えられないことですわな。


さて気温30度を越した昨日の午後、いつもの有線放送の直後、遠くからサイレンの音。(ちょっと慣れているけど)

庭先で草刈りをしていると草の焼ける香ばしいにおい・・
とともにあたりが真っ白に煙ってきた。
その後パチパチと燃える音が聞こえてきた。


!!!

サイレンの音がどんどん大きくなる。


あれ、今朝燃やした草が消えてなかったか?
風向きからすると西から流れてきているが昨日切った木のあたりか?などと心配になって畑に上がってみた。



下の川を挟んだ反対側の堤防の法面から盛大に煙りが上がっていて消防車が消火に当たっている。


撮影時はすでにほぼ消えていたが家まで黒い煤が飛んできた。

これは驚くわ。



あとで写真を見て気が付いた。

手前の消防車の上におそらくおばあちゃんと孫と思われる人が立ち尽くしている様子が写っている。


おばあちゃん、まるで「くまモン」ですな。

ここからは妄想だけど、男たちが機械を使って麦刈りに精を出した後おばあちゃんが孫を連れて手伝いをしようと火をつけたんじゃないか。それが高温と乾燥、さらに風があって思わぬ火勢になり大事になってしまったんではなかろうか。

心情を思うといたたまれない。

このあたりじゃどこの家でも普通にやってることだけど、間が悪すぎますわね。でも気の毒。

法面の草なんか燃やしてしまった方がいいくらいだが。




そう思って写真を見返すとそばに軽トラに水タンクを積んで作業を見ているおじさんがいた。


お父ちゃん、ちゃんと準備しとるやん。


消す前に通報されちゃったんだね。