自分が死ぬことを意識して生活している人は
今の時代にはそんなに多くはいないだろう。
僕だって30代のころ、60歳になった自分なんて想像もしなかった。
ところが何だかんだしているうちにもう60の一歩手前に来てしまった。今はおおむね毎日楽しく暮らしている。
僕は何歳で死ぬだろうか。
あるお婆さんは90過ぎで団地で一人暮らし。
草刈りの依頼ではなくごみの撤去。
僕の仕事ではないと思ったが、3ヶ月入院して退院したら猫が亡くなっていた。猫の部屋だった発泡スチロールなどを片付けて欲しいとおっしゃる。
僕のお客さんは80代後半や90代の一人暮らしのお婆ちゃんが多い。
話を聞きながらチラチラ母の姿が浮かぶ。
結局ゴミの片付けを引き受けてしまって気が重くなるわけだけど。
なんとか済みましたよ。家の周りや風呂場に山積みのいろんなゴミを分別して処分場に出しました。
喜んでくれました・・・ヨカッタ
隣県に住む息子さんが「母ちゃん長生きしてくれ」と言ってよく魚を送ってくれるそうで、部屋の中に発泡スチロールのケースがたくさんあった。
盆正月には会いに来てくれる、孫もひ孫もおるけどもう来んね。
「長生きしてもつまらんわ」とお婆ちゃんは言った。
夕方、処分が終わってもう一度伺ったとき玄関から呼んでも返事がないのでお婆ちゃんの居間の窓をコンコン叩いたら僕を見つけて嬉しそうに笑った顔に泣きそうになった。
この仕事きついなぁ。