僕が倒木をせっせと集めて乾していたら母が黙って一冊の雑誌を差し出しました。「薪で作るエコライフ」みたいなタイトルの、“こうしてクヌギを育てる”とか“こうして薪を割る”とか“薪ボイラーでコレだけ経費節減できた”など内容は真面目でなかなかいい本です。
いや、とても良い本です。
・・・でもね、母さん、そうじゃないんだ。
俺はね、ただ斧を振り回したいだけなんだ。
木を倒して割るのは我が家流、てか親父に習ったとおり。理由は知らない。最初はまったく当たらなくて台を削りまくり木っ端製造に励みました。木は割れなくて「さきイカ」みたいになって火付きが良さそう。
これ、子供の頃やらされたんです。
数日やってやっと昔の感覚が甦って来ました。
木にもスイートスポットのようなものがあって、木割の速度や当たり所で見事に割れて左右に弾けるんですな。これができると最高に気持ちいい。力は要らないし、振り回す必要もありません。スイートスポットに置くだけで自重でスパンと割れてしまいます。
つまらん・・・
もっとこう、
ブーンと振って
カーンと当たって
バゴーーンって割れなきゃ
目下“魅せる”薪割りを研究中。
火には魅入られます。
本当は「くど」(かまど)か「五右衛門風呂」が欲しいけど、今更なので薪ストーブで我慢するか。
最近は天気がグズつき気味でうちのカエデは紅葉が中途半端、近所のカエデは真っ赤なので品種かなとも思いますが、この中途半端さが僕らしいと言えなくもない。
雨空にパァーっと陽が差した。
新幹線が目立ち過ぎなんだよ。
ほいで暗くなったらあがって野菜で酒飲んで寝る。
意識の相当低い田舎暮らし。